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立石憲利の語りー新しい日本の語り 第1期第2巻

[編]日本民話の会

   責任編集・樋口淳

[定価]本体1,800円+税

[体裁]四六判222ページ、DVD付き

[ISBN]978-4-903487-60-1

2012年10月発売

 

実績ある語り部たちが一堂に会した、画期的なシリーズ。

第2巻は、語りの伝道師〈立石おじさん〉が登場。

怠け者の桃太郎が、ドングリや蜂、牛の糞、臼、腐れた縄に助けてもらう「桃太郎」をはじめ、岡山県で採録した52の民話を収録。

 

『新しい日本の語り』シリーズ概要…

【メディア掲載】

▶『山陽新聞』2012年10月23日付に掲載されました。

語りの学校の〈立石おじさん〉こと立石憲利は、五人兄弟のまん中、三男として生まれた。〈生まれ順の利〉を活かして、父母から昔話を、最初は兄たちに語るのを聴くとはなしに聴き、次に自分が中心になって聴き、のちに弟たちに語るのも聴いて育った。高校生になって、優れた民俗学者でもあった恩師と出会い、地元の民俗調査を行なう。七千話にのぼる民話を採録することになる民話の一大記録者、立石憲利の誕生である。

 

数十年にわたる民話採訪に裏打ちされた立石の語りは、数百年まえに聴いた人々も感じたであろう「おもしろい」「こわい」「悲しい」といった感動のエッセンスがにじみ出ていると同時に、少しも古めかしさを感じさせず、語られていることが、いま、目の前で起こっていることのような、不思議なリアリティをかもし出している。

 

そんな語りの伝道師・立石おじさんの四季折々の話芸、たっぷりとお楽しみください。

第2巻 立石憲利の語り

 (責任編集者・樋口淳)

52


民話と私(立石憲利)

春の民話

桃太郎/くさかった/ツバキの花/頭が山の桜/マムシとワラビ/

大柳とおりゅう/猿地蔵/猿御幣/与市の天のぼり/一把のわらを十六把/威張った雄鶏/ネズミの伊勢参り

夏の民話

嫁起こし烏/テイテイコボシ/カエルと蛇/ピョッギャッチャプン/蛇と山刀/ミミズの鳴き声/月と日と雷の旅/舌切りすずめ/大工と八鬼/木の仏と金の仏/鶏の知らせ/ネズミの商売/豆腐買い

秋の民話

菊娘/人間忘恩/大根はいいものだ/竹切り爺/風呂は池/オオカミとキツネ/芸くらべ/シシなら十六/伝・お久・仁四郎/まま子と魚/南京皿か京皿か/大食い女房

冬の民話

ミソサザエは鳥の王様/サルとウサギとカワウソ/年取り話/何に似たもう/「し」の字嫌い/五杢の望み/毘沙門の福授け/大黒様のおかげ/火盗み犬/お婆さんの願い/ネズミの振り袖/長い話―天からふんどし

 

立石憲利さんの語り(樋口淳)

語りの学校Ⅱ(米屋陽一)

5.昔語りの呼称と題目

6.最初に語る昔語り

7.子どもたちがほんとうに聴きたい昔語り

8.昔語りの冒頭句と結末句

 

【第2巻の語り部】

立石憲利(たていし・のりとし)

1938年、岡山県津山市に生まれる。久留島武彦賞受賞。高校生の頃から、民話・民俗の採訪にたずさわり、『丹後伊根の民話』(国土社)『兵庫県南但馬の民話』(日本民話の会)などの資料集、『立石おじさんの民話』(山陽新聞)『いぬの ごろたろう』(ほるぷ出版)などの語りや絵本など多数の著作がある。

子どもの頃から聞いて育った民話を、1980年代から学校・公民館などでの語りの活動をはじめ、現在は、各地で新しい語りの指導と育成にあたっている。