刊行案内人文(民話)『シリーズ 新しい日本の語り』>『佐久間クラ子の語りー新しい日本の語り 第3期第12巻』

佐久間クラ子の語りー新しい日本の語り 第3期第12巻

[編]日本民話の会(責任編集・小野和子)

[体裁]四六判・208ページ+口絵4ページ、DVD付き 

[定価]本体1,800円

[ISBN]978-4-86582-016-4

2016年11月発売

 

 《佐久間さんの身体にいつのまにか満ち満ちてしまったたくさんの「話したち」を、みんなの前に連れてきて、ひとつ、ふたつと、その顔を見せようとしてくださる。それは、・・・佐久間さんの思いのたけをこめて、「話したち」を抱き上げたり、頬ずりしたり、転がしたり、怒らせたり、泣かせたりしながらの顔見せである。》(小野和子)
 幼いころから福島県生まれの祖母の語る「ざっとむかし」を聞いて育ち、長ずるに及んで
「語ることが大好きな自分」を発見し、以来数十年、語りを生涯の仕事としてきた佐久間クラ子。里山の土に沁み込んだ雪解け水が泉から静かに流れ出るように語られる名人芸を、じっくりと。

 

『新しい日本の語り』シリーズ概要…

 

 

新しい語り手のために  日本民話の会 
むかしばなしと出会って  佐久間クラ子

 

Ⅰ.とても小さい話たち  

1 キツネの手伝い 
2 衣の供養 
3 タヌキの古寺 
4 お天道さまとお月さまと雷さま 
5 身代わり息子 
6 ネズミ坊主3 
7 キツネとツブ(タニシ)  
8 状箱ギツネ4 

Ⅱ.小さい話たち

9 さかな売り 
10 しょっぺぇ爺つぁま 
11 搔き混ずる 
12 お出迎え 
13 キツネとタヌキの化けくらべ 
14 古寺三味線 
15 白椿 
16 一生扶持 

Ⅲ.中くらいの話たち

17 虹織り姫 
18 根流し 
19 月の夜晒し 
20 茶のあぶく 
21 ひさご淵 
22 カッパの膏薬6  

Ⅳ.大きい話たち

23 キツネの太鼓 
24 赤面地蔵さま 
25 嫁こ沼 
26 山姥どんの仲人 
27 黄金千貫 
28 カジカ屏風  
29 トカゲの尻尾  
30 唄うしゃれこうべ 
31 アリの婿になった男 

Ⅴ.とても大きい話たち

32 ウグイス長者 
33 メメズ、土食っちまったら、後なに食うべ 
34 団十郎閻魔 
35 爺さまの湯治 


佐久間クラ子さんの「語り」に思うこと  小野和子 
語りの学校 VII  米屋陽一 

 

【語り部紹介】

佐久間クラ子(さくま・くらこ)

東京生まれの福島育ち、東京大空襲で被災して父の故郷の三春にもどった。福島生まれの母は三春にもどるやいなや地元の言葉に復帰、自身も幼稚園に勤めるうちにたちまち福島の言葉を身につけた。その後、夫の転勤先のいわき市で遠藤登志子さんの語りに出会うと、子どもの頃に祖母から昔話を聞いた思い出がよみがえり、強く心をうたれた。それ以来、遠藤さんの語りを聞き続け、突然の病に倒れた沿道さんの話を受け継ぎ、各地の語りの会で子どもや大人たちに語る活動を続けている。