モードの身体史―近世フランスの服飾にみる清潔・ふるまい・逸脱の文化

[著]内村理奈

[体裁]A5348ページ

[定価]本体3,600円+税

[ISBN]978-4-903487-72-4

 2013年10月発売

18世紀アンシャン・レジーム期のフランス社会は身体に何を求め、どのように身体を統制しようとしていたのか、また、身体はそこから自由でありえたのか?

 

服飾をめぐる日常の身体行動の中に、秩序化へ向かう絶対王政の意思と、それに逆らい快い感覚を獲得しようという欲求の痕跡をたどり、身体論の視点からモードの変容を読み解く。

 

何種類も出された礼儀作法書や、市井の人々の衣生活の実態を記録した遺体調書、モリエールをはじめとする文学作品など、文献史料や図像史料の丹念な読み込みを通して達成された、革命前夜のフランスの人びとの息づかいと衣擦れの音が聞こえてくる服飾文化史。

 

第1部 清潔—身体感覚の秩序—

第1章 清潔の誕生

第2章 「白いリネン類」lingeによる身分秩序の身体化

第3章 シュミーズの色による差異—身体衛生と漂白の奢侈—

 

第2部 服装規範—ふるまいの秩序

第1章 服装規範

第2章 帽子の表象—ふるまいが構築する社会秩序—

第3章 帽子をめぐる身体表現—ダンスの教本を中心に—

 

第3部 逸脱するモード—秩序の揺らぎ—

第1章 女性の仮面モード

第2章 部屋着モードにみる規範秩序からの逸脱

    —快適とエロティシズム—

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内村理奈 (うちむら・りな)

跡見学園女子大学マネジメント学部生活環境マネジメント学科准教授。専門はフランス服飾文化史・服飾文化論。お茶の水女子大学大学院で修士課程家政学研究科被服学を専攻、リュミエール・リヨン第2大学DEA課程近現代史専攻留学を経て、お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科比較文化学専攻単位取得満期退学。博士(人文科学)。共著に『花嫁はなぜ顔を隠すのか』(悠書館、2010年)、主な論文に「18世紀パリ市民のポケットの中身」(『国際服飾学会誌』No.34、2008年)などがある。