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糸の箱舟―ヨーロッパの刺繍とレースの動物紋
【監修】ドレッタ・ダヴァンツォ=ポーリ
【監訳】伊藤亜紀
【訳】宮坂真紀・長嶺倫子・西浦麻美子
四六判216ページ
定価=本体2,000円+税
ISBN 978-4-903487-65-6
2012年12月発売
✣日本図書館協会選定図書
さまざまな動物紋の、歴史的・宗教的・象徴的意味を解き明かす
ライオンや鹿、鷲や孔雀、サラマンダーに一角獣に鳳凰など、
多種多様な動物たちが乗り込んだ〈ノアの舟〉のように、
一枚の布に縫いこまれたさまざまな動物紋の、
歴史的・宗教的・象徴的意味を解き明かす。
本格的な研究書がまだ数少ない、
わが国のレース研究に一石を投じる注目の書。
序
1. スペイン王室コレクションにおける動物モティーフの刺繍
(ピラール・ベニート・ガルシア)
2. ジュネーヴ美術歴史博物館のレース・コレクションにおける動物表現
(フランシーヌ・ベッソン)
3. アメリカハクトウワシ ──新しい国家の象徴
(ディリス・E・ブラム)
4. 「ア・レセルバ」刺繍(プント・アッシージ)による動物モティーフの象徴性──16世紀スペイン(シルビア・カルボネイ・イ・バステ)
5. ブリュッセル王立美術歴史博物館コレクションにおける動物テーマのレース作品(マルグリット・コパン)
6. アルナルド・カプライ所蔵コレクションのレースと白糸刺繍にみる動物(ドレッタ・ダヴァンツォ=ポーリ)
7. フランスのレースにみる現実の動物と架空の動物──16〜20世紀
(アン・クラーツ)
8. 布の上の飛翔 ──日本刺繍における鳥文様──7〜19世紀
(伊藤亜紀)
9. オランダ王家のために19世紀末から20世紀初頭にかけて制作されたレースにおけるライオンの紋章(パトリシア・グリフィス・ワルドル)
レース用語集
あとがき
【監修者】
ドレッタ・ダヴァンツォ=ポーリ(Doretta Davanzo Poli)
ヴェネツィア・グラッシ宮の美術・衣裳国際研究所に所属し、国内外で多くのモードや織物、レースの展覧会に携わる。ヴェネツィア大学、ウーディネ大学、パドヴァ大学で服飾史を講義。主著: I mestieri della moda a Venezia. Documenti, 2voll.; Le stoffe dei Veneziani; Il merletto veneziano, Novara; Abiti antichi e moderni dei Veneziani; Il Museo del merletto.Venezia-Burano他多数。
【執筆者】
ピラール・ベニート・ガルシア(Pilar Benito Garcìa)
美術史家。マドリッド王宮、および国家遺産織物コレクションのキュレーター。CIETA国際染織学会会員。16〜19世紀のスペインの織物や装飾芸術に関する著作が多い。
フランシーヌ・ベッソン(Francine Besson)
ジュネーヴ大学で美術史専攻後、1997年よりジュネーヴ美術歴史博物館において、織物コレクションの修復と保管を担当する。また織物の展覧会のコーディネートを数多く手がける。
ディリス・E・ブラム(Dylis E. Blum)
コネティカット大学で美術史専攻後、マンチェスター大学で博物館学を学び、コートールド美術研究所で織物保存の資格を修得する。1987年よりフィラデルフィア美術館の衣裳・織物部門キュレーター。
シルビア・カルボネイ・イ・バステ(Sílvia Carbonell i Basté)
バルセロナ自治大学文学部卒業。専攻は美術史。1994年よりバルセロナ県タラサの織物美術館資料センターのキュレーターを務める。
マルグリット・コパン(Marguerite Coppens)
ブリュッセル王立美術歴史博物館の織物部門キュレーター。La Dentelle hier et aujourd’hui他、レースや衣裳、博物館学に関する著作多数。
アン・クラーツ(Anne Kraatz)
フランスの服飾史家。とくにレース研究で名高く、多数の著作が英語やイタリア語、ドイツ語に翻訳されている。邦訳書としては『レース 歴史とデザイン』(深井晃子監訳、平凡社)がある。最新作はLuxe et luxure à la cour des papes de la Renaissance。
パトリシア・グリフィス・ワルドル(Patricia Griffith Wardle)
ヴィクトリア&アルバート博物館、アムステルダム国立美術館のキュレーターを経て、CIETA国際染織学会のレース・ニュース・レターの編集者。レースに関する著作多数。
【訳者】
伊藤亜紀(いとう・あき)
国際基督教大学教養学部教授(イタリア服飾史、色彩象徴論)。著書に『色彩の回廊─ルネサンス文芸における服飾表象について』(ありな書房)、訳書にシシル『色彩の紋章』(悠書館、共訳)、『フランス宮廷のイタリア女性「文化人」クリスティーヌ・ド・ピザン』(知泉書館)他。
宮坂真紀(みやさか・まき)
東京大学教養学部非常勤講師。
長嶺倫子(ながみね・みちこ)
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了。
西浦麻美子(にしうら・まみこ)
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了。元駒澤大学他講師。