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銃後のアメリカ人:1941~1945―パールハーバーから原爆投下まで―

2017年7月11日配本

 

[著]リチャード・リンゲマン

[訳]滝川義人

[体裁]四六判・568ページ

[定価]本体4,800円+税

[ISBN]978-4-86582-030-0

 

これが銃後の生活!?――成年男子が次々と戦地へ送られるなか、未曾有の経済的繁栄を謳歌していた、第二次大戦中のアメリカ人の、文化・社会・生活の諸相を克明に活写!

 

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おなかの脂肪を相手とする銃後の戦いには、戦術計画というか、さまざまな工夫がおこなわれた(ウェストラインの防衛戦と通称される)。

主婦向け雑誌マッコールズは「勝利のための苦行方式」と称するものを勧め、「……健康美を守り士気を維持するためスリムであることを心がけよ。これが彼らのアドバイスである……脂肪分と甘いものを控え、運動しよう」とアドバイスした。

時を合わせたように、<戦時体型コントロール・プラン>を提供した美容室もある。

(本書第4章「戦時生産」より)

 

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灯火管制もあった。砂糖やガソリン、タイヤや靴などのゴム製品が配給制にもなった。食
肉不足から、<ビーバー・バーガー>を売り出す店まで現れた。

それでもアメリカは、未曾有の経済的繁栄を謳歌した。

平時から有事体制に切り替わった工場は膨大な物資を生産。フィルムの使用制限などもありはしたが、ハリウッドは次々とニュー・スターを生み出し、「ホワイト・クリスマス」が長期間ヒット・チャートの1位を独占。ダンスホールやナイトクラブは好景気をつづけた。

平和の到来を熱望しながら、のちに、朝鮮半島、ベトナム、中東で戦争に乗り出すメンタリティの萌芽もほの見える、戦時下のアメリカ人の生活を詳細に描いた、類のない書!

 

第一章 プレリュード・土曜日 

当時の暮らし向き 
戦前最後のクリスマス商戦 
アジア情勢と国防計画 
対英支援と有事即応力 
開戦前夜 

第二章 本土攻撃に備えて 

厳戒態勢下のサンフランシスコ 
拘束される日本人 
民間防衛と相次ぐ敵機来襲誤報 
潜水艦の脅威と民間航空哨戒隊(CAP) 
灯火管制下の生活 
風船爆弾の脅威 
防空演習 

第三章 激変する景観―戦時経済と社会 

軍需工場地帯へ向かう人々 
激変する景観 
工場労働者の生活 
徘徊する子供たち 
世相をうつすVガール 
結婚率の上昇 
首都ワシントンの戦時風景 
乱立する戦時機関 

第四章 戦時生産―世界の兵器庫 

自動車から航空機生産へ 
制限される民需生産 
代用品の登場 
戦時下のファッションと嗜好品 
真価を発揮した兵器の大量生産技術 

第五章 労働力と女性 

戦時中の労働事情 
工場労働者の日常 
職場に進出する女性 
戦時緊急事態下の労働組合 
黒人差別と就業機会 

第六章 映画と戦意高揚 

開戦前夜の映画界 
女優の戦時貢献 
映画界への政府の規制と資材不足 
入隊する著名男優 
悪役日本人を演じる中国人 
ニュー・スターの登場 
映画報道部の努力 
映画報道部の勧告と反撥 
アメリカの戦争映画 
十代の観客たち 
歌の世界︱戦意高揚からバラードまで 
ニュース重視のラジオ放送 

第七章 物不足と闇取引き 

配給制の導入 
ゴム、そしてタイヤ 
ガソリン 
闇取引きと偽造配給券 
配給制になった砂糖とコーヒー 
買いだめと節約︱主婦の知恵 
隣組活動 
戦時農園は花盛り 
配給制にならなかったもの︱酒、煙草 
ポイント制になったもの 
肉を求めて 

第八章 娯楽、気晴し、流行、愚行 

増えた家庭型娯楽
ベストセラーになるノンフィクション物 
一億冊も配布された軍人向け図書
大入りを続けるダンス場 
好景気に湧くナイトクラブ 
劇場に殺到する十代の娘たち 
戦時のブロードウェー 
雑誌と広告の業界 
検閲と自主規制 
アーニー・パイルの戦地報告 
新聞の三面記事 
漫画の世界 
新聞のトップ記事
犬と兵士、どちらが偉い? 
マイナー級になったメジャーリーグ 
フットボールの最強は軍人チーム 
軍需景気でうるおった競馬 
バスケットボール 
沈滞するボクシング 

第九章 人種差別と暴動 

黒人暴動 
アメリカの反ユダヤ主義 
メキシコ系差別とズートスーツ族 
隔離された日系アメリカ人 

第十章 終戦 

選挙にみる国民のルーズベルト支持 
ルーズベルトの死 
原爆投下、そして終戦 

 

訳者あとがき 

 

【著者】リチャード・リンゲマン(Richard Lingeman)

インディアナ州クロフォーズビル出身。10歳のとき真珠湾攻撃のニュースを聞き、日独航空機の識別カードをめくって日を過し、夜は短波受信機でベルリン放送にダイヤルを合わせ、イギリス訛りの英語をしゃべるアナウンサーの反英ニュースを聞いた年少戦中派。ハーバーフォード・カレッジ卒業、イエール大学中退。歴史家で、ニューヨークタイムズ・ブックレビューの編集(1969~78年)、リベラル派政治評論誌”The Nation”(ザ・ネーション)の主任編集委員(1978~99年)等を歴任。1950年代、米陸軍防諜隊に所属し、日本の超国家主義者の動向をフォローしている。
主要な著書に〝Small Town America:A Narrative History,1620-The Present”(1981),〝Theodore Dreiser:An American Journey”(1993),〝The Noir Forties:The American People From Victory to Cold War"(2012)など。
【訳者】滝川義人(たきがわ・よしと)

長崎県出身、早稲田大学第一文学部卒業。イスラエル大使館前チーフ・インフォーメーション・オフィサー、中東軍事紛争の研究者。訳書に、米軍公刊戦史『湾岸戦争―砂漠の嵐作戦』、A・ラビノビッチ著『ヨムキプール戦争全史』、M・オレン著『第三次中東戦争全史』、M・バルオン編著『イスラエル軍事史』など多数。

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