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オランダから見える日本の明日-〈しあわせ先進国〉の実像と日本飛躍のヒント

▼2016年11月10日発売

[著]大槻紀夫

[体裁]四六版・264ページ

[定価]本体2,800円

[ISBN]978-4-86582-026-3

 

オランダ国民の高い幸福度は、何に支えられているのか?伸び悩む経済発展、広がる所得格差、正規/非正規をめぐる雇用問題、後を絶たないイジメなど、日本に蔓延する経済・社会問題を先取りし、世界に先駆けて解決策を探ってきたオランダについて、現地での豊富なビジネス・生活体験をもつ著者がその実像を紹介しつつ、日本の課題解決のためのヒントを見出す。

 

オランダ人はどのようにして誰もが羨むこのような国を作ってきたのでしょうか。筆者は幸い在蘭日本商工会議所会頭及び帝人グループ欧州総代表として、オランダ政財界要人との折衝等を含め、オランダ政治経済の動きに間近で接し、手で触るような感じでその姿を観察するという格好の機会に恵まれました。筆者の四年余のなかなか得難い貴重なこうした駐在体験に基づき、「ため息が出るほど豊かな国」オランダの実像を紹介するのが本書の目的です。|「はじめに」より

第1章 ため息が出るほど豊かな国

1 地球上で最も豊かな国
2 大国に囲まれている小さな君主国
3 絵のように美しい国土
4 オランダはオランダ人が作った
コラム 日本の治水はオランダの技術だった

第2章 稼ぎまくった近世

1 繁栄の起爆剤になったニシン漁
2 バルト海貿易で富裕国に
3 東インド会社が築いた莫大な富
4 西インド会社と奴隷貿易
5 風車は繁栄の動力源 多用途に応用された風車
6 富を上限まで獲得したオランダ
コラム オランダ船の日本初到来
コラム 命がけの航海
コラム 英蘭戦争とGo Dutch

第3章 金儲けは今でも十八番

1 青信号のオランダ経済
2 強いオランダ経済の特徴
3 一人当たりGDPは日本の1・2倍
4 強い国際競争力

第4章 「わたし達はコスモポリタン」 ―経済を支える国民性―

1 オランダ人は語学の天才
2 国民こぞって海外指向 
3 異文化に寛容なオランダ
4 国際秩序に率先して貢献
5 貧困国に血の通った支援
コラム オランダの国旗と国歌

第5章 経済的才覚あふれる政府

1 法人税を大幅に減税
2 日系企業への特別な配慮
3 改革の旗手「ハリーポッター首相」
4 外資を取り込み経済活性化
5 各国商工会議所との緊密な連携
6 一歩進んでいるオランダの政治
コラム 影響力あるアメリカ商工会議所

第6章 一歩先を行く経営

1 好不況にかかわらず事業構造の転換を推進
2 国境を越えて進む企業再編
3 したたかな海外投資戦略
4 高い労働生産性
5 経営者の暴走を防ぐしくみ スーパーバイザリー・ボード
6 世界で活躍するオランダ企業
コラム 売却される事業もハッピー
コラム オランダとアメリカを結ぶ太いきずな
コラム 社会的ステータスの高い会計事務所、法律事務所

第7章 目を見張る超一流の経済インフラ

1 ヨーロッパ最大の港湾ロッテルダム
2 世界的評価の高いスキポール空港
3 ヨーロッパで最も発達している高速道路
4 着々と強化が進む鉄道
5 強いインフラをさらに強化
コラム 頭の痛い交通渋滞

第8章 しあわせ先進国オランダ

1 しあわせ度の高いオランダ
2 ワークシェアリングで豊かな生活
3 充実している社会保障
コラム オランダがパートタイムの国になった背景
コラム オランダは働く能力のない人が多い?
コラム うらやましい政労使の協調

第9章 日本とオランダ

1 関係が深い日本とオランダ
2 オランダの日系企業
3 オランダの日本人社会
コラム オランダにもある暗い歴史
コラム 在蘭日本商工会議所の活動
コラム 休暇は人生の最大の楽しみ
コラム 行きはよいよい、帰りはこわい

第10章 EUの中のオランダ

1 EUはなぜ誕生したのか
2 EUがもたらす経済的繁栄
3 目が離せないEUの動き
4 オランダにとってEUは生命線
コラム 共通通貨ユーロ採用国は着実に増加中
コラム EUの歌とEUの旗
コラム 日本とEU

第11章 びっくり先進国オランダ

1 なくならない社会問題
2 「飾り窓」で売春を上手く管理
3 大麻を吸っても罪にならない場所を作る
4 同性愛者に寛容
5 安楽死の合法化
6 移民が人口の二割に
7 オランダにもある教育現場の荒廃
8 びっくり仰天オランダ流

第12章 金儲けは大切だが、芸術は永遠だ

1 あふれるほどある美術館や博物館
2 世界一になったオランダの交響楽団
3 世界に大きな影響を与えたオランダ哲学、科学
4 ヨーロッパに衝撃を与えた告発文学 

第13章 一歩先を行くオランダから何を学ぶか

1 競争力強化への国をあげての取り組み
2 「変化こそ力の源泉」のダッチ・スピリット
3 国民こぞって国際指向
4 資本を上手く生かすスマートな経営
5 ビジネスはウィン/ウィン(Win/Win)で
6 思考停止しない柔軟発想

大槻紀夫(おおつき・のりお) 
一橋大学卒。元帝人グループ欧州総代表。元在蘭日本商工会議所会頭。著書に『事業部制の実際』(共著、1991年)、『異文化経営の世界』(共著、2010年)、その他多数。