ルネサンス美術解読図鑑—イタリア美術の隠されたシンボリズムを読み解く
【著】リチャード・ステンプ
【訳】川野美也子
定価=9,975円(本体9,500円)
B4変形判フルカラー224ページ
2007年10月発売
ISBN 978-4-903487-10-6
✣日本図書館協会選定図書
視覚的な暗号=コードに満ちたルネサンスの森へようこそ!
ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ボッティチェッリ、ミケランジェロ…。ルネサンスの名作の数々をさまざまな角度から読み解き、文学・建築等との関連や歴史的背景も優しく解説。イタリア・ルネサンスの豊穣な世界への扉を開く鍵を与える、研究者も目からウロコの図像学的ルネサンス美術入門。
✦ルネサンスの巨匠たちの作品100点以上を収録。
✦作品の全体像とともに細部にも丹念に触れ、そこに込められたシンボルやアレゴリー、謎めいた意味を解読。
✦美術館教育に携わり現役の俳優でもある著者ならではのわかりやすい解説。
第1部:時代的・文化的背景に目を配りつつ、文学・絵画・彫刻・建築におけるさまざまな新機軸を具体的に跡づける。
第2部:色彩、幾何学、遠近法、比例、ジェスチャーなど、ルネサンス美術の象徴言語を広範かつ平易に解説。
第3部:「神話」「戦争と平和」「死と永遠」など12のテーマに分類し、複雑な作品を分析。
第1部 古い思想から新しい美術へ
文学/絵画/彫刻/建築/装飾美術
第2部 ルネサンスの表現言語
事物とその意味/エンブレムと略語/色彩/光と影/遠近法/比例/神聖幾何学/位置と意図/古い物と新しい物/取り巻く世界/肉体と精神/ジェスチャーとボディ・ランゲージ/パトロネージ/男性と女性/形式と機能/物語と声明/意味の層/人間と天使/聖人/美徳と悪徳/神々
第3部 テーマ別解読
聖書/教会/天と地/古代の美術/神話/寓意(アレゴリー)/学問/政体/権力と富/戦争と平和/生活と社会/死と永遠ほか
……重層的なメッセージを含む美術や複雑な歴史をわかりやすく、おもしろく説明するというのはなかなか難しい。…本書はイタリア・ルネサンス美術とイコノロジー(図像解釈学)への入門書として最適であると同時に、研究者にとっても視点の確認や全般的な理解の整理・再編に役立つものと思われる。実際、訳しながら、長年の疑問が氷解したことが少なからずあった。(あとがきより)
【著者】リチャード・ステンプ(Richard Stemp)
美術史家、俳優。ケンブリッジ大学で自然科学と美術史を学び、現在は美術史の執筆や美術館教育に携わる。ロンドン・ナショナル・ギャラリー、テート・ギャラリー、テート・ブリテン他、イタリア各地の美術館や聖堂でも教えている。
【訳者】川野美也子(かわの・みやこ)
学習院大学史学科博士後期課程満期退了。1990〜94年、イタリア政府奨学金留学生としてフィレンツェ大学、ミラノ大学に学ぶ。元学習院大学非常勤講師。美術関連の訳書多数。
(*刊行時のものです)