都市交通の世界史―出現するメトロポリスとバス・鉄道網の拡大
【編】小池滋、和久田康雄
四六判348ページ
2012年3月発売
ISBN 978-4-903487-53-3
✣日本図書館協会選定図書
都市のかたちをつくり、新しい生活様式をもたらした世界の公共交通の発展史
市壁をこえて交通網を拡大させ、職住分離という新しい生活様式をもたらし、世界に先駆けて大都市圏をつくり上げたロンドン。西欧近代による強引な交通機関の建設によって近代都市へと生まれ変わった上海。車両利用によって水都から陸都へと変貌をうながされた大阪―
大都市圏の成長とともに細密な路線網をつむぎ出してきた公共交通。鉄道馬車・バス・路面電車・地下鉄の歴史を詳述する。
▶『運輸政策研究』66号に書評が掲載されました。(評者:正司健一氏)
総 論 都市交通の歴史を知る方法 /都市の形と交通の歴史/ 都市公共交通史の概観
第1章 ニューヨーク
第2章 ロンドン
第3章 パリ
第4章 ベルリン
第5章 モスクワ
第6章 上海
第7章 ソウル
第8章 大阪
第9章 東京
補論 東京の都市交通―1911~2011年
メトロについての蛇足的一章―あとがきに代えて
【編者】
小池 滋(こいけ・しげる)
東京都立大学、東京女子大学で英語・英文学の教鞭をとる。
鉄道関係の著書に『英国鉄道物語』『「坊っちゃん」はなぜ市電の技術者になったか』『余はいかにして鉄道愛好者となりしか』など。
和久田康雄(わくだ・やすお)
運輸省、日本民営鉄道協会、日本鉄道建設公団などに勤務。
著書に『人物と事件でつづる鉄道百年史』『やさしい鉄道の法規』
『日本の市内電車1895〜1945』『私鉄史探訪60年』など。
【執筆者】(執筆順)
寺田一薫(てらだ・かずしげ)
東京海洋大学海洋工学部教授。著書に『バス産業の規制緩和』
『地方分権とバス交通』(編著)『バス・タクシーの地域・住民ニーズ』(監修)『交通市場と社会資本の経済学』(共著)など。
青木 亮(あおき・まこと)
東京経済大学経営学部教授。専門は交通経済学。
著書に『自由化時代の交通政策』(共著)『Railway Operators in Japan』(共著)『世界の鉄道の歴史図鑑』(共訳)
など。
中村実男(なかむら・みつお)
財団法人運輸調査局研究主幹などを経て、明治大学商学部教授。専門は都市交通論、都市政策史。著書に『現代交通論』(共著)、『高齢者の住まいと交通』(共著)『交通と福祉』(共著)など。
北河大次郎(きたがわ・だいじろう)
土木史を研究し、文化庁を経て、ローマに所在する国際機関ICCROM(文化財保存修復研究国際センター)に勤務。著書に『近代都市パリの誕生』『歴史的土木構造物の保全』(共編著)など。
青木真美(あおき・まみ)
同志社大学商学部教授。専門は交通論。先進諸国における都市交通・公共交通政策を中心に研究。著書に『交通基本法を考える』(共著)、『ドイツにおける鉄道の地域化』(共著)など。
岡田 讓(おかだ・ゆずる)
モスクワ・アルマトイ駐在員事務所長時代、地域研究としてモスクワ地下鉄全駅を調査する。商社勤務の傍ら青山学院大学大学院国際マネジメント研究科に在学中。著書に『モスクワ地下鉄:地下宮殿の世界』。
山田俊明(やまだ・としあき)
元都立高等学校教諭。鉄道史学会、産業考古学会会員。主な関心領域は鉄道史、交通地理、産業遺産。著書に『鉄道からみた中国』『多摩の鉄道百年』(共著)『東京の鉄道遺産百四十年をあるく』(上・下巻)ほか。
藤田崇義(ふじた・たかよし)
韓国の国土研究院SOC研究センター、ソウル市政開発研究院交通体系改編研究支援団を経て、ジェイアール貨物・リサーチセンター調査部主任研究員。著書に『最新・世界の鉄道』『最新・世界の地下鉄』(共著)など。
三木理史(みき・まさふみ)
奈良大学文学部准教授。専攻は交通地理学、歴史地理学。著書に『近代日本の地域交通体系』『地域交通体系と局地鉄道』『局地鉄道』『都市交通の成立』など。
老川慶喜(おいかわ・よしのぶ)
立教大学経済学部教授。専攻は近代日本経済史。著書に『植民地台湾の経済と社会』(編著)『埼玉鉄道物語』『両大戦間期の都市交通と運輸』(編著)『近代日本の鉄道構想』『西日本鉄道百年史』(共著)など。