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フランソワーズ・サガン――伝説的作家の実像

2025年10月6日発売予定

[著]ベルトラン・メイエル =スタブレー

[訳]遠藤文彦

[体裁]四六判・480ページ

[定価]本体3,200円+税

[ISBN]978-4-86582-051-5

 

出版から70年を経て、今なお愛される鮮烈なデビュー作、『悲しみよ こんにちは』。

18歳にして一躍スターとなった彼女は、何を追い求めていたのか――
洗練された文体で、既存の価値観への反逆と揺れ動く心理を鋭く描き、戦後世代の若者や女性たちに支持されたサガン。時代を象徴する存在となった作家をとりまく神話とその多面的な横顔を、数々の証言と回想、作品を通して明らかにする本格評伝。

 

 

”文学界のマドモワゼル・シャネル”
……彼女は、スコット・フィッツジェラルドの小説のヒロインのような存在だった。若くして名声を得、甘美な恋に落ち、人工楽園におぼれ、孤独を、そして痛ましく救いがたい破滅を知った。波乱に満ちた生涯は、称賛とストレス、奢侈とギャンブル、アルコールとドラッグ、奇行と機知、ナイトクラブ通いと居候生活、ベストセラーと記録的大失敗といった両極端を行き来する、疾走するスポーツカーのごときものだった。彼女は一時代を象徴する女性であり、第二次世界大戦後の偶像(アイドル)的存在であり、現代フランス文学界の傑出した人物だった。(本文より)

 

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フランソワーズ・サガン(Françoise Sagan・1935~2004)
フランス南西部のロット県カジャールで、工場経営者を父に三人兄弟の末っ子としてブルジョワ家庭に生まれる。パリで育ち、ソルボンヌ一年目の夏に書き上げた処女作『悲しみよ こんにちは』(1954年)が世界各国で出版され、戦後最大級のベストセラーに。映画化も相まって社会現象となり、私生活や発言がつねに注目を集めた。小説のほか、戯曲や映画脚本、シャンソンなど数多くの作品があり、日本でも多数が翻訳され読者を得ている。「サガン」は愛読するプルースト『失われた時を求めて』の登場人物に由来するペンネーム。

序章
第1章 コワレーズ家(1935~1944年)
第2章 サガンの種(1945~1953年)
第3章 坑内ガス爆発(1954)
第4章 心の荒波(1955)
第5章 サガンとその仲間たち(1956)
第6章 ある物腰(1957~1958)
第7章 エクストラサガント(1959~1961)
第8章 幸福を父親に賭けて(1962~1965)
第9章 燃え尽きて(1966~1973)
第10章 ペギー(1974~1980)
第11章 バラ色の波と白い粉(1981~1986)
第12章 セリ・ノワール(1987~1992)
第13章 サガン、ウズベキスタンとともに去りぬ(1993~1996)
第14章 見る影もなく……(1997~2003)
第15章 動かざる心(2004)


家系図/年譜/書誌/写真

訳者あとがき

索引 

【著】
ベルトラン・メイエル =スタブレー(Bertrand Meyer-Stabley)

1955年生まれのジャーナリスト、伝記作家。著作の多くが20世紀の著名な女性を取り上げた伝記シリーズ « La Véritable ... » の版元ピグマリオンから刊行。邦訳に『オードリー・ヘップバーン 秘密の妖精』(風媒社)、『ヌレエフ20世紀バレエの神髄 光と影』(文園社)、『バッキンガム宮殿の日常生活』(同)。

 

【訳】
遠藤文彦(えんどう・ふみひこ)福岡大学名誉教授。フランス文学を学び、パリ第七大学で博士号取得。著書に『ロラン・バルト 記号と倫理』(近代文芸社)、『ピエール・ロチ 珍妙さの美学』(法政大学出版局)、訳書に『反ニーチェ』(同)、『ピエール・ロチ伝』『倦怠の華』(水声社)。他にデュラス、サガンについての研究論文がある。

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