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ヘンリー・ジェイムズとその時代——アイルランド、アメリカ、そしてイギリスへ

[著]大畠一芳

[体裁]四六判・292ページ
[定価]本体2,400円+税

[ISBN] 978-4-86582-043-0

2021年9月発売

 

新大陸アメリカと旧大陸ヨーロッパという異文化の対立を題材にした「国際小説」で、複数の視点による謎めいた「意識のドラマ」を描き、20世紀モダニズム文学の先駆者の一人とされるジェイムズの「意識と形式」への美学を、作品と人物像からたどる。

 

 

自由という空虚――「不安なる観察者」の目に映った「自由と平等の国」アメリカの未来とは?

1904年、ヘンリー・ジェイムズは20年ぶりに故国アメリカを訪れた。商業主義、画一化、機械文明……世紀の転換期にすさまじい勢いで変化するアメリカを、「不安なる観察者」は鋭い目でとらえてゆく――

 

「過去を断ち切り、ヨーロッパの文化遺産を否定するところから出発したアメリカ民主主義は……「空虚」というとんでもない代物を生み出していた……何でものみ込む、途方もない、いわばブラックホールのような代物であった」

(本文より)

【目次】
序 章 アイルランドから新大陸アメリカへ―ジェイムズ家の三世代
第1章 ヘンリー・ジェイムズの小説理論
第2章 『ロデリック・ハドソン』論 ―未必の故意の物語
第3章 ロマンスとしての『アメリカ人』―過剰なる想像力の功罪
第4章 『ワシントン広場』の謎
第5章 『ある婦人の肖像』論 (1)―自由なる自我の破綻そして描かれなかった結末
第6章 『ある婦人の肖像』論(2)―ジェイムズはなぜラルフを死なせたか?
第7章 『鳩の翼』論―複数の視点が織りなすドラマ
第8章 語りの構造とヒーロー
終 章 ヘンリー・ジェイムズのアメリカ―意識と形式の分断

 

参考文献/初出一覧/あとがき/索引

 

大畠一芳(おおはた・かずよし)

茨城大学名誉教授。現在聖徳大学兼任講師。主著に『デモクラシーという幻想』(悠書館 2018)、『法と生から見るアメリカ文学』(共著・悠書館 2017)、『アメリカ文学とテクノロジー』(共著・筑波大学アメリカ文学会 2002)、『新アメリカ研究入門』(共著・成美堂 2001)など。

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ヘンリー・ジェイムズとその時代

四六判上製・292ページ    

 

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