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矢部敦子の語り―新しい日本の語り 第1期第1巻

【編】日本民話の会

    責任編集・高津美保子

[定価]本体1,800円+税

[体裁]四六判200ページ、DVD付き

[ISBN]978-4-903487-59-5

  2012年9月発売

 

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『新しい日本の語り』シリーズ概要…

 

実績のある語り部たちが一堂に会した画期的シリーズ。

第1巻は、昭和30年代生まれの語り部、矢部敦子さん。

祖母から聞いた和歌山市紀ノ川辺りの〈おはなし〉は、

生活の知恵や人生の教えが詰まった全49話。

ユーモラスな桃太郎のパロディやことば遊び、

紀州広村の津波伝承「稲むらの火」など、

やわらかな和歌山ことばによる語りを収録。

【書評掲載】

▶『紀州新聞』2012年10月3日付で紹介されました。

現代のすぐれた語り部のひとり矢部敦子は、幼少期、やさしい中にもきびしく、時にこわい存在であった祖母から、夜ごと〈おはなし〉を聞かされて育った。

知らず知らずのうちに、先人の知恵が血肉となって紡ぎだされる、軽やかでユーモラス、時に残酷な語りの数かず。読んで、見て、聴いて、楽しんでいただければ、「ほんまに、ほんまナニやで、えらいおおきに」。

第1巻 矢部敦子の語り 

(責任編集者・高津美保子)

49

 

おはなしのある暮らし(矢部敦子)

和歌山の話

紀伊の国ができた話/紀州の殿さま―民はありがたい/紀州の殿さま―片身の魚/紀州の殿さま―鮭の皮/紀州の殿さま―見んほど美しいものはない/お大師さまの話―宝手ぬぐい/お大師さまの話―梨売り/お大師さまの話―餅つかぬ村/髪長姫/鳥女房/和尚と小僧―鯨突き/亀ののろい/稲むらの火 

自然と生き物

空の廊下/雷さんとお月さんとお日さん/ウサギが月で餅ついているわけ/ミミズの話/セミの話/ミノムシの由来/京都の蛙と大阪の蛙/百姓とカラスと鶏/五徳と犬/猿とカニ/猿の生き胆/ワラビの恩を忘れたか/大根、人参、ごぼう/自分をのんだ蛇

人と生き方

竹二本の運/十六の蜂の子/寿限無/物は思いよう/若返りの水/絵姿女房/猿婿入り/桃太郎/ネズミ経/茶栗柿麩/夢を握りつぶした男/取っ付こうか引っ付こうか/こんにゃく風呂/腹も身の内/身すり旅人/象を五人で調べたら/絵からぬけだす子 

ことば遊び

くさかった/もう、もうたろう/クモ男爵/はなさんかじじい/おもしろ言葉 

 

矢部敦子の語りの魅力(高津美保子)

語りの学校 I(米屋陽一)

1.民話の世界

2.「かたる」「はなす」「つたえる」ということ

3.昔語りの場の宣誓

4.昔語りの場とは



【第1巻の語り部】

 矢部敦子(やべ・あつこ)

1958年、和歌山県和歌山市に生まれる。東京都小平市在住。小さな頃から祖母の語りを聞いて育ち、その豊かなレパートリーを受け継いでいる。 小平民話の会・日本民話の会の一員として、学校や公民館で語りはじめ、多くの語り手を魅了し、NHKの「日本語であそぼ」などでもその語りが紹介された。民話集に『矢部敦子の語りの世界』(日本民話の会)、CDに『ラジオ深夜便 日本の民話・和歌山』(NHK)、『昔話ふるさとへの旅・和歌山』(キングレコード)がある。