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持谷靖子の語りー新しい日本の語り 第2期第8巻

[編]日本民話の会

   責任編集・小澤清子

[体裁]四六判・220ページ、DVD付き 

[定価]本体1,800円+税

[ISBN]978-4-903487-75-5   

2014年4月発売

  

群馬県みなかみで民話採集を始め、30年間宿泊客に毎夜語り続ける名物女将。〈語りの達人〉の名調子を。

 

『新しい日本の語り』シリーズ概要… 

  群馬と新潟の県境に位置する利根郡新治村……奥深い山里に生きる人びとは、労力を惜しまず働き、知恵をはたらかせて米をつくり、桑を育てて養蚕にはげみ、生計を立ててきた。いっぽう、この地は、京の都と越後とをつなぐ街道筋にあたり、人びとがひんぱんに往来する地でもあった。そんな土地柄を反映した昔話や伝説が、ここには数多く残っている。           

 前橋市に生まれ、新治村の猿ヶ京温泉に嫁いだ持谷靖子は、ここで民話と出会った。以来、三十年以上、ホテルの女将としての仕事をこなし、二人の子どもを育てるかたわら、村の語り部たちをたずね歩き、村にうずもれていた宝物である民話や伝説を、蒐集し、まとめ、語り継いできた。

 今も毎日休むことなく〈居炉里端〉で続けられている温泉女将による語りの数々、とっぷりとつかってくらっさい。

 

一.村のくらし   

1 湯使えー昔話をきいた頃ー

2 米の話     

2 − 1 米を振る      

2 − 2 睨められても米のめし      

2 − 3 奴も米になったか     

2 − 4 粟澤の猫      

2 − 5 カラスと米      

2 − 6 日本人が米を食べるわけ      

2 − 7 米を作るようになった村      

2 − 8 つばめの宿礼      

2 − 9 おたけ大明神      

2 − 10 落穂拾い   

3 食べ物の話     

3  − 1 小豆と大豆の自慢話     

3  − 2 一粒の豆      

3  − 3 青刈り大尽      

3  − 4 人の食いぶち      

3  − 5 「半殺しか皆殺しか」     

 

二.村の昔話 

4 蓑の恩返し 

5 親の売りもの 

6 不幸 千度 

7 指太郎 

8 二人の太郎吉 

9 三つの山 

10 青い玉 

11 風の神 

12 七つ釜ののっぺらぼう 

13 カカシの化物 

14 天狗の夢 

15 とんがるぼう 

16 二人の爺さまの神参り 

17 おきぬさま 

18 赤ん坊と泥棒 

19 織姫と山姥 

20 猿の頭 

21 正月の夢(なんてんの木) 

22 牛女 

23 ねずみの恩返し 

24 ねずみの王国   

 

三.村の伝説 

25 てじろの猿 

26 かっぱのくすり 

27 赤谷の長者きめ 

28 猫沢のはなし 

29 やませの大尽 

30 村の山の名   

 

四.村の笑いばなし 

31 ほらふき要太郎 

32 仙人と物ぐさ者 

33 「かかあ天下」の由来 

34 猿ヶ京ののみの夫婦 

35 お産の痛み分け

   

持谷靖子さんとその語り 小澤清子 

語りの学校 VIII 米屋陽一  

【語り部紹介】

持谷靖子(もちたに・やすこ)

1940年、群馬県前橋市に生まれる。慶應義塾大学文学部卒業。新治村(現みなかみ市)の猿ヶ京ホテルに嫁ぐ。家業のかたわら土地の民話採集を始め、大女将として宿泊客に毎夜、30年間にわたり民話を語り続ける。(財)三国路与謝野晶子紀行文学館館長、「民話と紙芝居の家」館長、NPOにいはる子ども文化塾代表、「語り座てまり」代表。「語りの達人」の称号を群馬県より受ける。群馬県文学賞を受けた『絵画と色彩と晶子の歌』や『上州、新治村の民話』など著書多数。