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【第II期の語り部たち】
第6巻 大平悦子(おおだいら・えつこ)
1954年、岩手県遠野市青笹町に生まれる。東京の大学に進学、神奈川県内の公立小学校教諭となる。結婚後3児を出産し子育てしながら勤務し、2011年3月末に退職。在職中から川崎市立日本民家園を語りの場として、遠野での見聞談・体験談の語り、遠野の昔語り、遠野の災害伝承の語り、『遠野物語』の語りなど、遠野ことばによる新しい語りを披露している。川崎市の自宅と遠野市のもう一つの自宅を拠点にして語りの行脚は続く。
第7巻 山本倶子(やまもと・みなこ)
1938年、京都に生まれる。同志社大学文学部卒業、日本民話の会会員、日本昔話学会会員。1982年、東京で語りの活動をはじめる。1994年、足利(栃木県)に移住。足利で語りの会「おはなしコロリン」を立ち上げ、足利の図書館、保育園、学校、老人ホーム、幼稚園などで、お話の出前をボランティアで行なっている。著書に『足利の民話』(随想舎)。
第8巻 持谷靖子(もちたに・やすこ)
1940年、群馬県前橋市に生まれる。慶應義塾大学文学部卒業。新治村(現みなかみ市)の猿ヶ京ホテルに嫁ぐ。家業のかたわら土地の民話採集を始め、大女将として宿泊客に毎夜、30年間にわたり民話を語り続ける。(財)三国路与謝野晶子紀行文学館館長、「民話と紙芝居の家」館長、NPOにいはる子ども文化塾代表、「語り座てまり」代表。「語りの達人」の称号を群馬県より受ける。群馬県文学賞を受けた『絵画と色彩と晶子の歌』や『上州、新治村の民話』など著書多数。
第9巻 渡部豊子(わたべ・とよこ)
1942年、山形県新庄市に生まれる。幼い頃に祖父母や父から日々の暮らしの中で聞いた新庄の昔話を、今日も鮮明に記憶している県内屈指の語り手。「むが~す、むがす、あったけど」で始まり、「どんべすかんこねっけど」で終わる昔話を、山形県内だけでなく全国各地に出向いて語り続けている。地元では、小学校での語り指導や福祉施設での語りを長年にわたり行なっている。自身の生活と昔話をまとめた著書『昔話と村の暮らし』がある。
第10巻 むぬがたい:沖縄の新しい語り手たち
「むぬがたい(物語り)」は、沖縄の豊かな語りとシマクトゥバ(沖縄のことば)を受け継ぎ、次世代に伝えるために結成されたグループである。メンバーの多くは、これまで島々を訪ね、語りを聞き、記録してきた。しかし伝承の語り手は、急速に姿を消しつつあり、どうしたら暮らしの中にむんがたい(物語り)を受け継いでいけるのか? 子どもたちにシマクトゥバを手渡すことができるのか? ここに収められているのは、沖縄の新しい語り手一人ひとりの試みの記録である。