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出雲かんべの里の語りー新しい日本の語り 第3期第13巻

[編]日本民話の会

   責任編集=酒井董美(ただよし)

[体裁]四六判・220ページ+口絵4ページ、DVD付き 

[定価]本体1,800円

[ISBN]978-4-86582-017-1

2016年10月発売

 

 出雲地方の有形&無形文化財をたっぷり楽しめる施設として二十数年前にオープンした出雲かんべの里を拠点として、初代館長の酒井董美を中心に語りを学んできた六人の語り部たちによる「とんと昔のお話し」50話。出雲地方の昔話はもとより、出雲地方にゆかりの深いラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の採集した怪談や、「古事記」をもとに独自に再話した神話などを収録。他地域の語り手たちとの交流を深めたり、伝承の語りを次世代に継承するべく、〈子どもの語り部〉を育てデビューさせるなど、未来へ開かれた拠点〈出雲かんべの里〉の二十余年の活動の成果!

 

『新しい日本の語り』シリーズ概要… 

【書評など】

▶2016年12月2日付『朝日新聞』島根県版に掲載されました。

▶2016年11月27日付『山陰中央新報』に書評が掲載されました(評者・小泉凡氏)。

▶2016年11月16日付『山陰中央新報』でご紹介いただきました。

 

新しい語り手のために 日本民話の会 
出雲かんべの里・民話館「とんと昔のお話会」の歩み 山田 理恵 

 

出雲かんべの里

 1.金の犬こ 〈仁多郡奥出雲町下阿井〉 
 2.桃太郎 〈松江市八束町二子〉
 3.いいもの食いたい楽したい 〈松江市北堀町〉 
 4.便所は法事 〈江津市跡市町〉 
 5.一つ覚え 〈大田市三瓶町〉 
 6.ムスビを食べた地蔵さま 〈鹿足郡吉賀町柿木村白谷〉 
 7.地獄と極楽 〈隠岐郡海士町御波〉 
 8.饅頭は毒 〈知夫村大江〉 
 9.若返りの水 〈隠岐郡知夫村〉 
 10.鼻直し 〈大田市富山町山中〉 
 11.太鼓と子狐 〈浜田市三隅町向野田〉 
 12.風呂場の大黒さん 〈浜田市三隅町芦谷〉 
 13.団子と酢あえ 〈津和野町吹野〉 
 14.間のよい猟師 〈浜田市三隅町芦谷〉 
 15.度胸の良い婿捜し 〈浜田市三隅町東平原〉
 16.十二支のいわれ 〈鹿足郡吉賀町柿木村〉 
 17.犬が四本足になったわけ 〈鹿足郡吉賀町柿木村〉 
 18.猿蟹合戦 〈仁多郡奥出雲町大呂〉 
 19.鼠浄土 〈隠岐郡隠岐の島町那久〉 
 20.地蔵さんのくれた鋏 〈隠岐の島町元屋〉 
 21.蟹淵の主 〈隠岐の島町元屋〉 
 22.法事の使い 〈出雲市大社町〉 
 23.キュウリとカボチャの相撲見 〈柿木村〉 
 24.キツネの変化玉と似せ本尊 〈松江市玉湯町下大谷〉 
 25.飯山狐 〈出雲市平田町〉 
 26.古屋の漏り 〈松江市玉湯町下大谷〉 
 27.狐に化かされた話 〈邑智郡邑南町井原〉
 28.かちかち山 〈出雲市乙立町〉 
 29.コブ取り爺 〈奥出雲町大呂〉 
 30.猿婿入り 〈浜田市三隅町古市場〉 
 31.ヒョイは焼き餅 〈隠岐郡隠岐ノ島町布施〉 
 32.ぼた餅は観音さん 〈隠岐郡隠岐ノ島町都万〉 
 33.鬼の面 〈松江市美保関町万原〉 
 34.若水汲み 〈奥出雲町竹崎〉 
 35.猿の海岸見物 〈安来市広瀬町西比田〉 
 36.食わず女房 〈出雲市佐田町〉 
 37.たの吉とうわばみ 〈松江市東出雲町〉 
 38.鳴き比べ 〈出雲市小境町〉 
 39.タコおどり 〈隠岐郡西郷町〉 
 40.とっつかばとっつけ 〈雲南市吉田町〉 
 41.日本一のへこきじい 〈松江市法吉町〉 
 42.あわてものの大社さんまいり 〈出雲市斐川町〉 
 43.そば粉地蔵 〈隠岐郡西郷町〉 
 44.杜若(カキツバタ)の謡い 〈小泉八雲の作品より〉 
 45.こんな晩 〈小泉八雲の作品より〉 
 46.大雄寺の水飴幽霊 〈小泉八雲の作品より〉 
 47.八岐大蛇 〈『古事記』より再話〉 
 48.伊賦夜坂(黄泉の国) 〈『古事記』より再話〉 
 49.因幡の白兎 〈『古事記』より再話〉 
 50.月の夜ざらし 〈福島県〉 

 

とんと昔のお話会のこと  酒井董美 
語りの学校 XIII  米屋陽一

 

【語り部紹介】

出雲かんべの里の語り手たち

山田理恵さん、平野美津江さん、岡村悦子さん、野津正恵さん、安部光江さん、細田多美子さんの六人。山田さんたちは、「とんと昔のお話会」という語りの勉強会をつくり、出雲かんべの里の民話館で松江や出雲の民話を語ってきた。「お話会」を指導した酒井董美さんは、かんべの里の前館長で、昭和五十年代から島根、鳥取を中心に語りやわらべ歌を記録した優れた研究者。
出雲かんべの里には、民話館のほかに、工芸館や自然の森やかんべ茶屋があり、民話館では囲炉裏を囲んで、休館日以外はいつでも伝承の語りを聞くことができる。